乳幼児期の子どもの成長速度には個人差がありますが、「なかなか言葉が出ない」「歩き始めない」など気になるときは知的障害の可能性があるかもしれません。
ここでは、知的障害について分かりやすく解説します。
知的障害とは?
知的障害とは、発達期(おおむね18歳)までに生じた知的機能の障害により、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態をいいます。
知的障害の判断基準
知的障害の程度は「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の4つに分けられています。
一般的には知能検査(IQ)の「知能指数」と「日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、移動など)」を基に判定を行っています。
- 知能基準に制約があること(IQ70未満が知的障害の目安)
- 適応能力に制約があること(日常の社会生活で必要とされる能力や行動に制約がある)
- 発達期に生じたものであること(おおむね18歳以前に知的機能の制約と適応機能の制約が始まる)

知的障害の原因
知的障害の原因となる要素は色々ありますが、ここでは生理的要因、先天的要因、後天的要因について見てみます。
生理的要因
子どもに特に基礎疾患は見られないが知的能力と社会生活が知的障害とされる範囲内にあるという場合が生理的要因に当てはまります。突発的要因、と呼ばれることもあります。
先天的要因
出生前に生じたものを先天的要因と呼んでいます。
出産前後の感染症や中毒、染色体異常(ダウン症)などがあります。
後天的要因
出生後の疾患やけが、栄養失調などによるものもあります。
生後に患った日本脳炎やポリオ、麻疹などの感染症が重篤化して、脳炎になることで知的障害を引き起こす場合があります。これらの感染症などは、予防接種をすることである程度感染の可能性を下げることもできます。
また、事故や怪我などで頭に外傷を負ったことで、脳機能に影響が出たり、乳幼児期の栄養失調などが知的障害の原因となることもあります。
知的障害の特徴
知的指数(IQ)別の特徴を以下にまとめました。
軽度(IQ 50~69)
- 就学前に、明らかな発達差が分かりにくい
- 学齢期に、読字・書字・算数・時間などを身につけるのが難しい場合がある
- 身のまわりのことはほとんど年齢相応にできる
中度(IQ 35~49)
- 就学前に、言葉の発達はゆっくりである
- 幼児期の療育などで食事・身支度・衛生面などができるようになっていく
- 学齢期に、コミュニケーション・読字・書字・算数・時間や金銭感覚の理解などの発達はゆっくりで、ある程度の水準にとどまる
重度(IQ 20~34)
- 幼児期では、会話するのが難しい
- 食事・身支度・入浴などの支援が必要
- 学齢期以降、単純な会話と身振りによってコミュニケーションが取れるようになってくる
最重度(IQ 20未満)
- 会話によるコミュニケーションなどは難しい
- 自分の欲求や感情などは非言語的なコミュニケーションを通して表現する
- 日常的な身体の世話・健康・安全など多くの面で支援が必要
まとめ
知的障害とは、発達期に生じた知的機能の障害により、知的機能と社会生活の適応機能との両面で水準よりも遅れているため、生活が困難になっている状態のことをいいます。
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